「InfoLib」は、インフォコム株式会社が提供するデジタルアーカイブソリューションです。 アーカイブシステムに対して『難しい』というイメージを持っていた方でも簡単に運用できる操作性、豊富な機能、そして24年にわたる改良とノウハウの蓄積により、1995年の発売以来全国の図書館様や公官庁様、民間企業様延べ140以上の機関で広く利用されてきました。
私たち株式会社誠勝は、お客様が「InfoLib」で公開する資料の電子化、および「InfoLib」の販売を行っております。
デジタルアーカイブ黎明期に「InfoLib」が開発された背景、同システムの特徴、デジタルアーカイブシステムの可能性について、インフォコム株式会社 セールス&マーケティング担当 前地崇様にお話しいただきました。
よりオープンなアーカイブシステムを求めて
Q. 「InfoLib」が開発された背景を教えていただけますか。
前地様:
「InfoLib」自体の歴史は長く、一番最初のリリースは1995年です。「デジタルアーカイブ」という言葉が提起されたか否かといった頃で、当時は「電子図書館」システムとして「InfoLib」を開発・販売しておりました。またインターネットも普及する前です。いわゆる大学図書館で蔵書を検索するためのシステムはあったと思いますが、それをパッケージ化しソリューションとして明確に販売していた企業はほとんど無かったと思います。
当時販売されていたデジタルアーカイブシステムは、例えば相互接続するために製造元の規格を使わなければいけない等の“ベンダーロックイン”がありました。それに対して、アーカイブシステムには当時から国際標準が存在していたので、そこにこだわった開発をやっていこう、ということで「InfoLib」が誕生したと聞いております。
Q. より制約の無いシステムを開発したかったと。
前地様:
汎用的なものは使えば使うほど市場での浸透性が上がってきますが、一つの分野や技術に一つのメーカーだけ、だとなかなか広まりませんよね。デジタルアーカイブでも同じで、国際標準で作ればデータの接続やシステムの連携がしっかりと出来るようになります。そういったところが背景としてはありますね。
Q. デジタルアーカイブシステムを選ぶ上で、お客様が一番重要視していることは何でしょうか。
前地様:
お客様によってさまざまですが、1つだけ共通するものを挙げるなら「体系立てた保管をしたい」というものですね。“デジタル”アーカイブなので、アーカイブ化するのは原物ではなくそのデータですが、それでもしっかり体系立てて保管することで一般の国民の方々やあらゆるユーザー様一人ひとりに閲覧・利用していただくことが可能になります。
それまでは、どちらかというとホームページに画像として貼り付けることが多いと思いますが、WEBサイトのコンテンツマネジメントでは限界がある。データベース化する、ということは体系化して保管し、探しやすくすることになるので、その点が一つ重要なポイントかと思います。
Q. 「 InfoLib」の強みは何でしょうか?
前地様:
この24年間で培ってきた経験を基に開発していること、そこで培ったノウハウをお客様にお伝えしながらデジタルアーカイブを提供できることが最大の強みかと思っております。またお客様のご予算や目的、ニーズに合わせて柔軟に提供できることも強みと考えています。
特に「InfoLib-DBR」は、Excel形式の目録データをアップロードすることでデータベースの作成が可能なので、プログラミング無しでデジタルアーカイブを実現できるのが大きな特徴です。面倒な要件定義、仕様変更のアフターコストといった手間を極力抑えることができるので、その点を評価いただくことが多いですね。
Q. 「InfoLib」をご利用いただいたお客様からは、どのようなお声がありますか?
前地様:
元々デジタルアーカイブシステムを難しく考えておられたお客様にも『意外と簡単に導入できるんだ』と思っていただいています。特に、すでに目録のCSVデータをお持ちの方については、そのままデータの公開ができますし、変更や修正も簡単にできるようになっていますので。
先日導入させていただいたお客様も、初日の2~3時間程度のレクチャーをしただけですぐに慣れてしまっていました(笑)。普段の業務でExcelを使われる方であれば、操作は問題ないと思います。
「InfoLib」の活用シーンとは
Q. 具体的にどのようなシーンで活用されていますか。
前地様:
官公庁、研究機関等の独立行政法人、大学、公共図書館や公文書館といった公共機関、企業など様々なニーズで利用されてきました。最近ですと公文書館、図書館のような歴史資料を保存する役割がある施設で、保有資料をデジタル化、コンテンツ化したものを体系化してインターネット公開するために使用していただくといったところがポピュラーな使用方法となります。
民間企業様でいえば、周年事業のために社史の編纂を行うために整理した写真・資料の保管庫であったり、社内のデジタルコンテンツの管理にと御活用いただいております。最近ですと「企業アーカイブ」という形で企業価値のあるものを外へ発信していきたいというニーズがあります。
公文書館様でもそうですが、紙ベースの物などを企業文化として保管していかなければならないとなった時、デジタルアーカイブというキーワードと紐づけられることが増えてきたように感じます。
Q. 民間企業様では、PR的な目的が多いのでしょうか?
前地様:
それもありますが、「共通の財産」としてアーカイブシステムを公開するケースもありますし、様々ですね。
例えば先日構築させていただいた株式会社ポーラ・オルビスホールディングス ポーラ文化研究所様の「化粧文化データベース」で言うと、化粧品の中には文化財に値するようなコレクションが含まれることもある。そういった物をしっかり世の中に共有していきたいという想いがあると思います。
日本には数十年以上継続している企業様も多いので、歴史の積み重ねが徐々に出てきます。それを体系立てて整理した上で、社内外で色々な目的に使っていくというのが、企業における目的になるのではと考えています。